きり丸の髪は綺麗だ。


髪質が柔すぎて、髷の結えない乱太郎は思う。

きり丸は3年に一度しか髪を切らない。

1年間、髪を伸ばすだけでもかなりの長さになるというのに。

3年に一度しか切らないのは、髪が高く売れるからだ。

頭の毛の問題に悩む人は古今東西いるらしく、髪、それも長く美しい髪は買い手あまたということだ。

自分の髪を梳っただけでは量が少ないので、売り物にならない。

ならば伸ばしてしまえ。

そういうことらしい。

話を聞くところによると、髪結い処の叔母さんがきり丸の髪を見て、是非売ってくれと言ったのが始めだそうだ。





今のきり丸の髪は、結い上げて髪先がちょうど腰につくぐらいだ。
きり丸の女装は、立花先輩といい勝負だと、は組みの仲間は肴にしてからかっている。
だが女装が本当に良く似合う。
団蔵や虎若が女装するよりずっといい。
護衛とお忍びの姫のような見た目になることが判明した4年次、身代わりの逃避行を繰り広げたのは記憶に新しい。
山田先生のご指導もあってか、本当に女装が板についてきた。
髪を下ろして伏目がちにすると、見ているこちらが恥ずかしくなるほどだ。
女装のほうが、焼き芋や扇子やというアルバイトで裁かなくてはいけない物品が良く売れると言って、喜んでいるのもあいまって、 最近では女装が趣味だと委員会の後輩に言っているらしい。
山田先生の女装好きにも困ったものだが、きり丸は実益を兼ねているので佳しとするべきだろうか。


幸か不幸か、図書委員を6年間勤め上げている。
きり丸の持つ知識は庄左ヱ門に引けをとらない。何が原因かは知らないが、きり丸は本を読むことが趣味になった。
忍術関係の書籍はあらかた読み尽くし、次は商売についての本を漁りだした。
学園を卒業して忍者で就職できなかったら、油でも売って資金を作り、問屋でもするかな、そのときは団蔵、安い運賃で運んでくれと笑いながら話している。
しぶとく生きる、ということを体現しているきり丸の身軽さが羨ましい。






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乱太郎によるきり丸考察でした。
中途半端…。
きりちゃんは乱世をたくましく生きているいい。
団蔵、虎若、庄ちゃんは男らしく。))笑
逃避行の話は何時書けたらいいなと思います。
何故4年次かというと、きりちゃんは紫が似合いそうだから。単なる趣味です。
きり丸は6年間委員会を勤めていると書いていますが、
2,3年は別の委員会でもいいと思います。
色々体験できること違うだろうし。
でも4年からは図書委員に戻ってきてほしいです。委員長までれっつだどん。
きり丸に筋肉がつき始めるのは、卒業してから希望。
男らしい3人は5年後半から突き出すといい。
乱太郎はちょっときりちゃんに憧れてます。
とりえが走るのが速いだけじゃ、だめだ!!と悶々としていればいい。思春期だから。
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津きり丸の場合
2008-09-25